当サイトをご覧いただきありがとうございます。パパママキャリア編集長のかっきーです。ITとビジネスの両分野に関する専門性を深めるために資格試験に挑戦しています。
今回は、 ITの世界で活躍の幅を広げたいと考えていらっしゃる方におすすめしたい資格 の、IoTシステム技術検定(上級)の難易度や勉強方法についてご紹介いたします。
記載の内容は、本記事を執筆している2022年5月時点の情報です。最新の情報は必ず公式サイトでご確認ください。
目次
IoTシステム技術検定の概要
IoTシステム技術検定は、MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)が提供しているIoTエキスパートの検定試験で、基礎・中級・上級の3レベルが用意されています。
名称 | IoTシステム技術検定(上級) |
試験分類 | 民間資格 |
認定団体 | MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム) |
受験資格 | 以下のいずれか1つの条件を満たしていること ・MCPC IoTシステム技術検定[中級]合格者 ・情報処理学会 認定情報技術者(CITP)有資格者 ・早稲田大学 スマートエスイー修了者 |
出題形式 | 専門技術講習の受講 論述式試験 |
試験日程 | 例年、年に2回(2月と8月) |
学習期間の目安 | 0時間〜 |
受験料 | ①MCPC IoTシステム技術検定[中級]合格者 55,000円(税込)昼食含む ②情報処理学会 認定情報技術者(CITP)有資格者 33,000円(税込)昼食含む ③早稲田大学 スマートエスイー修了者 33,000円(税込)昼食含む |
参考URL | https://www.mcpc-jp.org/iotkentei/kentei_msg_jyokyu/#tab01 |
MCPCについて
実施団体のMCPC(Mobile Computing Promotion Consortium、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)は、モバイルを活用したDXの各産業分野への適用促進をはかるため、 通信キャリア、コンピュータハードメーカ・ソフトウェアメーカ、システムインテグレータ、教育機関等による組織として1997年6月末日に設立されました。
2030年代へ向け、各分野(生活・産業・医療・教育など)での効率的、効果的なモバイル/IoT/AIの利活用により、DXを推進し、社会発展に貢献することを目的とされているとのことです。
具体的な活動内容としては、モバイル/IoT/AIの技術の標準化、普及促進、人材育成等の活動が挙げられています。
今回ご紹介するIoTシステム技術検定の他にも、モバイルシステム技術検定やワイヤレスIoTプランナー検定など、通信の分野における幅広い検定試験を提供しています。
➡️検定一覧
https://www.mcpc-jp.org/license/#lisence_list
習得できるスキル
IoTシステム技術検定(上級)では、目的を「IoTシステム技術検定の最上位資格であり高度なIoTビジネスモデルの企画、設計構築、運用のリーダーとして活躍できる人材を育成する」と定められています。
また、適用可能な実務レベルとして、「IoTシステムについて顧客の要求を理解し、課題を整理のうえ、システムを企画・計画し戦略的提案を行います。また、IoTシステム構築のリーダーとして活動できます」と定められています。
➡️検定の概要
https://www.mcpc-jp.org/iotkentei/kentei_msg_jyokyu/#tab01
試験形式
IoTシステム技術検定検定(上級)の試験形式は、専門技術講習の受講(1.5日)と論述式試験(3時間)を2日間かけて行うユニークなものです。
専門技術講習では、
- IoTビジネスモデル設計:3時間
- IoTセキュリティ:1.5時間
- AI活用によるIoTアプリケーション:1.5時間
- 最新技術動向:1.5時間
の講習を1日半かけて受講します。
各分野におけるスペシャリストの方々が登壇され、専門的な知見をお話いただけます。
質疑の時間も設けていただけるので、書籍や動画などでの学習とは異なるライブならではの体験といえるでしょう。
私自身はこれらの講習を全ての時間で出席しましたが、全てあるいは一部欠席となった場合に試験の合否に影響するのかどうかは不明です。
ただ、講義への出欠そのものが影響なかったとしても、講義の内容は2日目の論述試験でも問われるため、きちんと出席しておくべきでしょう。
論述式試験では、文字数1,500~1,800文字程度で、決められた課題に回答することになります。
公式サイトでは、課題の例としてIoTのビジネスモデルの作成が提示されています。
業種を選択し、
・本当の顧客は誰か(A社など、仮名にて具体的な業種と業務内容等)
・顧客が抱えている課題
・技術的な訴求点(技術活用は課題解決にどのように貢献するのか)
・ビジネス上の創出価値は何か
といった構成で論文を作成することが求められます。
前述の通り、専門技術講習で話された内容や配られた資料の内容に関連する出題となることから、しっかりと内容を理解しておく必要があるでしょう。
受験方法
公式サイトから申し込みを行い、決められた日程に決められた会場で受験します。
受験資格として、
- MCPC IoTシステム技術検定[中級]合格者
- 情報処理学会 認定情報技術者(CITP)有資格者
- 早稲田大学 スマートエスイー修了者
のうち1つを満たすことが設定されています。
私自身は、中級合格者として受験しました。
論述式試験で合否が決まると考えられますが、採点基準や合格基準は非公開となっているため、どの程度のレベルの論述を作成する必要があるかは不明となっています。
ただ、私自身もそこまで立派な論述を作成したとは思っておりませんので、ハイレベルなものは要求されていないと捉えて良いと思われます。
IoTシステム技術検定(上級)の難易度
公式サイトによると、必要な知識レベルとして「IoTのシステム構築・活用に関する、より実践的な専門技術」と表記されています。
したがって、少なくとも知識レベルとしては実務にも耐えうる専門性が要求されていると言えます。
IPAが主催する情報処理技術者試験と比較すると、応用情報技術者試験が「高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」を対象者とし、ITストラテジスト試験が「高度IT人材として確立した専門分野をもち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術(IT)を活用して事業を改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者。また、組込みシステム・IoTを利用したシステムの企画及び開発を統括し、新たな価値を実現するための基本戦略を策定・提案・推進する者」としていることから、字面としては応用情報技術者試験に近いような印象を受けます。
➡️応用情報技術者試験(AP) ~ ワンランク上のITエンジニア ~
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/ap.html
➡️ITストラテジスト試験(ST) ~ 経営とITを結びつける戦略家 ~
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/st.html
私の合格時点の状況
私がIoTシステム技術検定(上級)に合格した時点では
- IoTシステム技術検定(中級)に合格済み
- IoTを業務で活用するための企画の実務経験が少し
- AIに関する基本的な知識が問われるG検定に合格済み
- 統計検定2級に合格済み
- 事前の学習時間は0時間
のような状況でした。
実務経験が少しあったことから、関連用語の意味合いや使い方のイメージが沸きやすかったため、公衆の理解や論文の記述がスムーズに進んだと思われます。
また、AIや統計に関する基本的な知識を持っていたため、IoTを利用したデータの取得や、データ分析の分野に関する知見が多少あり、それを論文に反映することができました。
勉強方法について
試験に先立っての学習は特に行っておらず、講習をしっかり受講し、論述式試験を受験することで合格できました。
そもそも、事前に学習しようにも、特に参考文献などが示されているわけではないため、準備することができないと思われます。
そのまま試験当日を迎えましたが、それで特に問題はなかったと思います。
もしもそれでは不安に感じるのであれば、中級のテキストの見直しや、公式サイトに記載されている論述課題の骨子を作成しておくなどを行うのが良いのではないでしょうか。
当日にしっかりと講習を受講し、それを論述試験に反映することができれば合格できるようになっていると思われます。
まとめ
以上が、IoTシステム技術検定(上級)の概要や難易度、勉強方法についてのまとめとなります。
IoTのスペシャリストの方々のお話を聞けるため、検定試験を受験しに行ったにもかかわらず新しい知見を得られる点は面白いのではないでしょうか。
また、論述試験はIPAの情報処理技術者試験の高度区分でも採用されている試験方式でもありますので、その練習、前哨戦としても良いかと思います。



